少子化問題は、アンコトローラブル!?

子ども35年連続減 14歳以下1605万人、人口比12.6%

というニュースが本日の日経新聞に掲載されていました。少子化問題をもう少し掘り下げてみると、人口減少と合わせた日本の大きな問題が浮き彫りになります。

まずは、少子化の定義から見てみましょう。

長期的に人口が安定的に維持される合計特殊出生率(1人の女性が一生の間に産む子の数)を人口置換水準といい、国際連合は先進諸国の人口置換水準を2.1と推計しています。合計特殊出生率が人口置換水準を相当長期間下回っている状況のことを少子化といいます。

女性(正確には一組の男女)が平均して、2.1人子供を産めば、人口は安定するということですね。

大人2人で、子供2人産めば、問題なさそうですが、2.0だと、他の社会的要因で死亡(例えば、病気や交通事故)して子孫を残せない可能性があるので、長期的にみると人口は減っていってしまいます。なので2.1以上となっているそうです。

出典:厚生労働省、平成26年人口動態統計月報年計(概数)

では、いつから少子化になっているのでしょうか。驚くことに厚生労働省の資料を見てみると、すでに1980年代(昭和50年代)からは少子化となっています。少子化の問題は、以前からの問題でしたが、老年人口が増え、社会保障が老年を支えきれなくなってくることがわかりだしてから、問題提起されるようになったのだと思います。

人口統計は、ハズレの少ない指標だとすると、20年近く問題を放置していたことになりますね。私も含めこの問題を放置していた責任はあると思っています。

さて、これは日本だけの問題なのでしょうか。

先進国は、どこも少子化に苦しんでいますが、ドイツ、イタリア、日本は少子化対策が上手くいっていない状況です、逆にその他の先進国は、少子化対策が上手くいっていて、なんとか合計特殊出生率2.1前後を推移しています。

少子化自体は問題ですが、これがどのような経済的な問題を生むのでしょうか。

  • 一つ目は、生産労働人口の減少
  • 二つ目は、総人口の減少

です。

生産労働人口とは、総人口の中で、働く人の人口を指します。

出典:情報通信白書

生産労働人口は、2010年〜2030年のわずか30年程度で1,300万人も減少します。生産労働人口の15%が失われます。今後は、人手不足に拍車をかけるでしょう。特に労働集約的な産業(小売りや、運送業、システム開発など)は、将来にわたり常に人手不足になるでしょう。

また、人手不足だけでなく、生産年齢人口の減少にともなって就業者数が減るということは、勤労所得のある人が減っていくわけで、当然、消費にも大きな影響を及ぼしてきます。GDPが減少する可能性も大きくあるのです。

消費の減少に拍車をかけるのが総人口の減少です。

出典:内閣府

人口は2040年には1億人を切るところまで来てしまいます。総人口が減れば、消費者も減っていきます。人口減少は、全国均一的に減少していくわけではありません。政府の日本創成会議では2040年に896市町村が消滅すると発表されています。つまり地方都市から人口は減少していくことになっていきます。

これらの少子化、生産労働人口減少、総人口減少は私達にどのような影響があるのでしょうか。

・ 生産労働人口減少で、人手不足に拍車がかかる

サービス業に代表される労働生産的な業種や、3K(キツイ、汚い、帰れない)ような業種は、人手不足に悩まされるでしょう

  • 人件費の高騰

生産労働人口が減れば、労働の供給力が減ります。そうすれば、需要と供給のバランスから、人件費が上がっていく可能性があります。

  • 総人口減少は、全国均一サービスや地方に特化している小売業への影響が高い

スーパーやホームセンター、コンビニ、宅配便などで、全国均一サービスをしている企業は、地方から人口が減少するため、大きな影響を受けると思われます。地方都市を主戦場としているサービスやプロダクトは、場所によっては、急速に市場がなくなっていくでしょう。

  • 生産労働人口、総人口減少で景気の減速の可能性があり

一概に総人口が減ると消費が減り、景気が直接減少するのは、言い切れない部分もありますが、過去の統計データを見ると総人口減少する中で、経済発展した国は、ほとんどありません。

  • 社会保障負担増による、税金負担増

生産労働人口が減少することにより、経済が縮小すれば、税金収入も減ります。しかし老年人口を支える人口が減れば、一人当たりの負担は増えていきます。そうすると税金負担は増えることは間違いないでしょう。


 この少子化、生産労働人口減少、総人口減少の問題に対して、どのような解決策があるのでしょうか。

まずは、様々な対策が必要でしょうが、まずは、分けて考えるべきだと思います。

まずは少子化対策です。生き方の自由、子供を持たない生き方、社会的に子供を育てやすい制度などなかなか複雑な状況だと思われます。子供を産み育てやすい環境や、それを奨励する対策がメインとなりますが、即効性は低いと思います。あとは、フランスのように婚外子を認めるなどの制度が必要ですが、日本の制度は全て、結婚して夫婦同姓の「家族」メインに制度ができているので、こちらを変更するのも徐々にしかできないでしょう。

少子化対策は、今すぐにでも対策が必要ですが、これといった確実な施策はなく、アンコントローラブルな状況だと思います。いろいろな対策を打ちながら徐々に効果が出ることを期待するしかないと思います。

生産労働人口と総人口減少は、即効性があるのはやはり移民対策です。移民を多く受け入れている先進国は、人口減少する割合は低く、しかも合計特殊出生率も低くなっています。少子化対策と違ってコントロール可能であり。単純に数を稼ぐためには移民の受け入れを広く受け入れることが最も即効性があると思われます。

少子化対策を打ちつつ、移民政策を進めるのが、まずは王道の政策と言えるでしょう。

もちろん移民を単純に受け入れるのは様々な問題を引き起こします。政府でも毎年20万人近い移民の受け入れが可能かどうか検討しています。他国の移民政策の問題としても、「移民によって日本人の雇用が圧迫される(雇用懸念)」「移民がつくるコミュニティや宗教的な違いが、日本人社会との軋轢を生む(文化摩擦、治安懸念)」の大きな二つの問題があります。これらの問題を認識しつつもうまく融合化していく方が、現実的だと思われます。

すでにオリンピックを目前に訪日外国人に対するマーケティングは、重要視されていますが、移民受け入れが進むのであれば、外国人向けの詳細なセグメンテーションとターゲティングが必要な時代になるのかもしれません。

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